苔テラリウムの種類別育て方

種類別、苔の育て方メモです。
比較的育てやすい苔、テラリウムに向いた苔の写真と育て方を集めました。

乾燥:弱いほど湿気を好み、密封型容器での育成に適した苔です。強いとなっているものは乾燥状態での休眠が得意な苔。カラカラに乾いても数ヶ月は生きることができ、水を与えれば復活します。ただし多湿環境で育て続けた苔は葉の形状が変化して種類を問わず乾燥に弱くなります。

日照:自然下での苔が好む日光量です。湿度が保持されるテラリウムでは蒸れを防ぐため日向(直射日光)に置くことは避けます。

育てやすさ:テラリウム環境での育てやすさをランク付けしました。

▼「苔テラリウム全般」のお手入れ方法を知りたい方は下記ページへ!▼

ホソバオキナゴケ 細葉翁苔アラハシラガゴケ 粗葉白髪苔

苔庭や苔園芸で大活躍!人気者の苔

乾燥:強い
日照:半日陰~日陰
育てやすさ:やさしい

通称ヤマゴケ。
乾燥しても姿の変化が少なく丈夫なことから、盆栽や苔庭でよく使われています。
乾燥には強いですが、完全に乾いてしまうと葉色が白く褪せてしまいます。
空気中の湿度を維持できるテラリウム環境では、鮮やかな緑色を常に保って育成できますが、
多湿環境で育てていると葉がぐんぐん上に伸びてくるので、こまめなトリミングを心がけましょう。
トリミングを行わないと光が当たらない根元の部分が白くなり、草体が肉厚になります。
高さを抑えたいときは乾燥気味で風通しをよくして管理します。

エゾスナゴケ 砂苔

星型葉っぱがかわいい苔

乾燥:強い
日照:日向~半日陰
育てやすさ:ふつう

通称スナゴケ。日当たりが良く乾燥気味の場所に自生する種なので、
湿度の高いテラリウム環境では姿が変化し、ひょろひょろと上へ伸びていきます。
乾燥には強いのでフタのない容器や、日光をたっぷり当てても大丈夫な鉢植えもおすすめ。
湿気の逃げ場がない密封容器では育て始めに環境に適応できず弱ってしまうことがあります。
夏場は水分量少なめで管理しましょう。
乾燥すると葉が閉じて姿が大きく変化。水をあげるとぶわっと葉を開く様子が見ていて面白い苔です。

スギゴケ 杉苔

苔庭によく使われる苔

乾燥:強い
日照:日向~半日陰
育てやすさ:ふつう

石組みと良く合い、日本庭園にはつきものの苔です。
山地を中心に自生し、生育環境により葉の大きさや色に違いが現れます。
乾燥に強い種ですが、多湿環境でも育成できます。
コケ丈が毎年伸び続けるため、成長に伴い茎の根元が茶色くなっていきます。
色あせが気になってきたら根元からハサミで切って植えなおしましょう。
上に向かって伸びるので、高さのある容器がおすすめです。

ヒノキゴケ 檜苔

イタチのしっぽみたいな大型の苔

乾燥:弱い
日照:半日陰~日陰
育てやすさ:やさしい

山地に自生し、大きくふんわりした房状の群落を作る苔。
1本1本が非常に細かい葉は柔らかで美しく、見ごたえがあります。
低光量・高湿度を好む、テラリウム向けの苔です。
成長が早く、適した環境で育てると新芽が次々に展開してきます。新芽が出ると元の苔は枯れてしまうことがあるので、
茶色くなってきたら茎からカットして伸びてきた新しい苔を土に植えましょう。
乾燥には弱く、空気中の湿度が足りないとすぐ葉を閉じてしまうので、フタのある容器がおすすめ。
高温には弱いので夏場は涼しい場所に置いてあげましょう。
密封容器の場合、日中は室温をみてフタを外して管理すると蒸れを防げます。

環境に適応するため茶色くなり、茎の根元から新芽が出てくることがあります。
枯れてしまったように見えても諦めずに育ててみてください。

タマゴケ 球苔

まーるい胞子体をたくさん付ける苔

乾燥:やや弱い
日照:半日陰~日陰
育てやすさ:やさしい

自生地では山地の湿った土壁や岩壁などに生えます。
比較的湿った環境を好む、テラリウム向けの苔です。
空気中の湿度を一定に保てるフタ付きの容器が手軽に美しく育成できますが、
ある程度乾燥にも耐えるのでフタのない容器でも育てることができます。
湿り気を好む分、高温には弱いので夏場は涼しい場所に置いてあげましょう。
密封容器の場合、日中は室温をみてフタを外して管理すると蒸れを防げます。

シノブゴケ 忍苔

繊細な葉を広げて、苔の絨毯を作る

乾燥:やや弱い
日照:半日陰
育てやすさ:ふつう

山間部の日陰地の湿った地上や岩上、腐木上にマット状の群落を作って自生。
湿った環境を好む、テラリウム向けの苔です。
半日陰で適度な湿り気を維持すれば良く育ってくれます。
乾燥状態が続くと葉先が傷んで黄色く変色してしまうので注意。
這いながら新芽を伸ばすので、底面積の拾い容器が適しています。
基本的に多湿環境で育てることになるため、夏場の蒸れに気をつけて涼しい場所で管理します。

ホウオウゴケ 鳳凰苔

鳳凰の尾を思わせる美しい苔

乾燥:弱い
日照:半日陰~日陰
育てやすさ:やさしい

渓流のそばの湿った地上や岩上などに群生する苔。
長いもので10cm近くにもなり見ごたえがあります。
乾燥に非常に弱いので、フタのある容器で常に高湿度状態を保つようにしましょう。
湿度管理さえ行えば簡単に育てることができるので、テラリウム環境に向いている苔です。
ウォーターフェザーの名称でアクアリウムでも使われることがあり、
当方は試したことがありませんが水中栽培もできるそうです。

苔テラリウムの管理方法
下記のページでは、苔テラリウム全般のお手入れ方法を紹介しています。合わせてご覧くださいませ!