苔テラリウム 基本の管理方法

テラリウムってなに?苔ってなんだか難しそう。
そんな初心者さんでも安心して育てていただけるように、
このページでは水やり方法や置き場所など、上手に育てるためのポイントを紹介していきます。

苔テラリウムってなに?

苔テラリウムとは、ガラス容器の中に苔を寄せ植えしたミニチュアガーデンです。
コケリウムと呼ばれることもあります。

苔は根がなく、葉から空気中の水分を吸収して呼吸しています。
そのため乾燥した外気にさらされる苔玉や苔盆栽は、実は苔にとって厳しい環境。毎日の水やりがかかせません。

ガラスに守られたテラリウムなら、苔にとって快適な「湿度のある空間」をかんたんに保つことができます。
特に密封容器であれば衛生的なうえ、お水は数週間に1度与えれば十分と、お手入れも簡単に済みます。

忙しい人や植物のお世話が苦手な人、はじめて苔の育成に挑戦する方におすすめの育て方です。

苔テラリウムの仕組み

苔が呼吸をすることで酸素と二酸化炭素がビンの中で循環し、
土に含まれた水分が蒸気になることで、苔にとって快適な湿度のある空間を保ちます。

閉ざされた空間のなかで生態系が広がるテラリウムは、まるでミニチュアの地球のようです。

苔テラリウムを上手に維持するために最も重要なのは下記の二つ。

適切な光と温度がある場所に置くこと。
容器内の湿度管理。

それでは詳しく解説していきます。

苔の種類別育て方を知りたい方は下記ページへどうぞ!▼

湿度と換気

密封容器であれば長期間湿度を保てるので、2~3週間に一度の水やりでOK。
フタのない容器やフタを外して管理する場合は乾燥が早くなるので、
苔の乾燥具合をみてこまめに水をあげましょう。

また、密封容器では1週間に2回ほどフタを開けて、空気の入れ替えを行うと苔達が喜びます。
このとき軽く息を吹きかけてあげると、光合成に必要な二酸化炭素も配給できますよ。

● うっかりカラカラになってしまっても…
水やりを忘れてしまってカラカラに乾いてしまってもあわてずに!
苔は生命力の強い植物。乾燥すると「休眠状態」になって身を守ります。
種類にもよりますが、1週間程度であれば再び水を含むことで、青々とした姿によみがえります。
ただし乾燥と多湿の繰り返しは苔の傷む原因となりますので、できるだけこまめに水を与えましょう。

置き場所と日当たり

苔は強い光を必要としないため置き場所の自由度が高く、ここに植物を飾りたい!を叶えてくれる存在です。

苔テラリウムに適した光量は、レースのカーテン越しの窓辺など、直射日光が当たらない明るい日陰。
あとに書きますが、LEDの光でも育てることができます。
絶対に注意したいのは直射日光を当てること!ビンの中は日が当たると高温・多湿となり、蒸れ枯れの原因となります。
フタのない容器の場合は、乾燥しやすいエアコンの風が直接当たる場所も避けてください。

鮮やかな緑色がだんだんくすんできたら温度や光量が適していない可能性が高いです。
苔の状態が悪いときは一度置き場所を変えてみてください。

 蛍光灯やLEDでも育つ!
苔は光をそれほど必要としない植物ですので、蛍光灯やLEDの光だけでも成長できます。
握りこぶしほどの容器なら5W程度の明るさが目安。
照明器具を容器に近づけすぎると熱が篭ってしまうので、20cmぐらい離して設置するようにしましょう。

 夏場や冬場の管理
苔は夏の暑さが苦手。
特に、湿度が保たれるテラリウム容器中は気温があがると蒸れやすい環境です。
夏場は水やりを控えめにし、密封状態で育てている場合は、室温をみてフタを外して管理してください。
午前中にフタを開けて、夕方閉めるというサイクルが可能でしたらこの方法もおすすめです。
寒さにはとても強いため、冬場の雪や凍結は問題ありません。

メンテナンス

多湿環境で育てていると、ほとんどの苔達はにょきにょきと上を目指して伸びてきます。
苔が茶色くなったり成長しすぎたら、ハサミで切り取ってください。
切り取った苔は新しいビンに植えて育てたり、撒き苔という方法で増やすこともできます。

テラリウムは生きていますので、時間経過と共に他の苔や植物の芽が生えてくることがあります。
そのまま成長を見守っても構いませんが、気になる場合は早めにピンセットで取り除いてください。

苔のカットの仕方は、上記ページもご参考ください。

肥料

苔は水と光だけで成長するため、特別肥料を与える必要はありません。

コケの種類別育て方

下記ページにて、苔の種類別の育て方を紹介しています。